何を収入源とすべきか
「金持ち父さんのキャッシュフロー・クワドラント」という本があります。
ここでの「クワドラント」とは、お金を稼ぐ方法は以下の表のように4つに分類出来るという意味です。
E Employee(従業員) 労働力を売る・意思決定権なし |
B Business owner(ビジネスオーナー) 仕組みを作り他人を働かせる・意思決定権あり |
S Self employee(自営業者) 労働力を売る・意思決定権あり |
I Investor(投資家) お金に働かせる・意思決定権あり |
シニア世代には"E"、"S"は体力的に難しいでしょう。
Bとしてやっていけるのは、才能・健康に恵まれた運の良い人だけです。
結局、普通の人には"I"しか残っていないということになります。
古より、洋の東西を問わず、人間は誰しも最後は投資家になると言われています。
投資対象を何にするのか:常に「騙されているかもしれない」と思うこと
「投資」で絶対にやってはいけないことは、「騙される」ということです。特に、シニア世代にとっては致命傷となります。
騙される内容には次の2つがあります。
- 投資の仕組みそのものについて騙されること:「詐欺 」に引っかかる
- TV、ネット、雑誌に登場する「専門家」と呼ばれる人から教わる相場環境について騙されること:セールストークを刷り込まれる
第一は、その投資の仕組みが100%理解できていないものは避けること。家族、友達などにご自分の言葉で説明できるか、 が判断基準になります。
第二は、世間常識に照らして、高すぎるリターンが設定されていないか。年率10%を上回るリターンには警戒すべきでしょう。
詐欺を生業としている人は、知能が高く、人間の心理・心の機微をよく学んでいるため、少しでも気を許すと、付け込まれて、 その気にさせられてしまいます。
小さいころから相手の立場を思いやることを叩き込まれていて、断ることが苦手な日本人は格好の餌食となります。
2004/03/05 読売新聞夕刊にこんな記事がありました。
投資のスタート、「こと始め」は、やはり、取引所に上場されている株式、ということになります。
投資の一年生にとっては、投資信託、債券、不動産投資なども、仕組みが分からないため、避けるべきでしょう。
自分は分からないから、専門家に任せる、というのは、かなり危険です。
ご自分が関わったことがあるビジネスに関連する投資対象を選ぶのが最適です。その世界の常識が分かるからです。
他の人にはない経験・スキル、人的ネットワークがあことは、ご本人は気が付いていないかもしれませんが、
非常に大きなアドバンテージとなります。
経験が全くない場合は、投資額全額が飛んでしまっても、かすり傷と思えるように投資額を極端に小さくすることが必要です。
私の株式投資
皆さんは「株式市場」という言葉をご存知だと思います。株を売りたい人、買いたい人がそれぞれ注文を出し、
売りと買いの注文をマッチングさせる場所です。
証券会社に転職した時、私はこの「市場」という機能に非常に感銘を受けました。
少々の不利を甘受すれば、いつでも売ること、買うことが出来ます。これはとてつもなく大きな魅力です。
そして最も大事なことは、売り買いした値段が、予め決められたルールに則ったものであることが確認できることです。
値段が恣意的に決められてしまうという意味で、騙されることはありません。
しかしながら、ある銘柄について、自分が売買したいと思った値段が正当に評価された値段なのかどうかについては、誰も分からない
と言ってよいでしょう。
「専門家」と称される人が、将来のマーケットを予測し、銘柄を分析して、割安だ、割高だ、と言いますが、眉に唾して聞くことです。
20歳代後半に初めて自社株を買って以来、40年数年株式市場と付き合って分かったことは「将来のことは分からない」ということです。
「現時点のことも分からない」と言っていいかもしれません。
今は「分からない」ことを前提として投資をしています。
私が最初に株を買ったのが、1981年。自社株を買いました。爾来、40年を超す投資歴があります。
大きく儲けたこともありますが、大きな損を出したこともあります。
面白い経験をしたのは、8868 アーバンコーポレーション。2003年5月に560円で2,000株買ったところ、
分割を繰り返して20,000株になりました。最高値は2007年6月の2,360円。100万円が4,700万円に化けたことになります。
しかし、2008年3月期は過去最高益を記録したものの同年9月に倒産。紙切れになってしまいましたが、
配当金が結構あったため、ネットでは37,743円のプラスでした。
株式投資で個別銘柄を買おうとする場合、銘柄選びや、価格に影響を与えると思われる情報の収集に多大な労力を要求されます。
如何に時間と労力を費やして銘柄選びをしても、自分が描いている通りに行くことは50%もないのではないでしょうか。
見つけ出した銘柄が正真正銘の優良銘柄、お宝銘柄であっても、株価は変動するもの。天井で買えば、含み損を抱えます。
自分が良いと思って買ったわけですから、すんなりと損切も難しい。
結果として、保有銘柄ばかりが増えてしまうという状況に陥る人が多いのではないでしょうか。