私的年金としてのグルグルトレイン:その儲けのメカニズム
私はグルグルトレインを私的年金を生み出すツールと考えています。
ここでは、その全体像が1ページで理解できるよう、核心部分だけの説明にとどめています。正確さを犠牲にしていることをご承知おきください。
1)まず、あるレートで買って(売って)から利幅を乗せて売る(買い戻す)という注文を一定間隔で並べます
右の例では
① USDを150.00円で買って、150.50円で売る
② USDを150.10円で買って、150.60円で売る
....
⑪ USDを150.00円で売って、149.50円で買い戻す
⑫ USDを150.10円で売って、149.60円で買い戻す
....
〇〇円で買って/売ってのレートを「建値」、〇〇円で売る/買い戻すレートを「決済値」と呼びます。
2)為替レートが動いてそのうちの1つの注文が約定し、さらに動いて決済されたら、元々の注文を入れ直します
買い注文を例にとり、右図で説明します。
(a) 為替レートが建値より低いので、買い注文は注文状態のままです。
(b) 為替レートが建値に達したので、注文が約定し、ポジションとなります。為替レートが建値を上回った部分が「含み益」となります。
(e) 為替レートが決済値に達したので、ポジションは決済されて消えます。
(f) 元々の注文を入れ直します。これを「再エントリーする」と言います。
(g) 為替レートが建値に達すると、注文が約定し、ポジションとなります。為替レートが建値を下回った部分が「含み損」となります。
この結果、グルグルトレインを継続できる限り、実現益が一方的に積み上がっていきます。
3)グルグルトレインを継続できる条件
預託金残高注文が約定したが決済されていないものには、含み損益が発生します。
証拠金FXは証拠金取引なので、決められた証拠金額以上の預託金残高を維持できないと一部または全部のポジションが強制的に決済されてしまい、取引(グルグルトレイン)を続けることが出来なくなります。
取引継続可否の判定式預託金残高 + 含み損益 > 必要証拠金額 (1)
(1)式の預託金残高を分解し、変形すると、
当初口座残高 + 累計実現益 > (正負を反転させた)含み損益 + 必要証拠金額 (2)
(2)式の左辺から右辺を引いたものが「証拠金余裕額」となります。
証拠金余裕額 = { 当初口座残高 + 累計実現益 } ー { (正負を反転させた)含み損益 + 必要証拠金額 } (3)
(3)式を図示したものが下図となります。
(図中の「累計スワップ」はここでは無視しますが、その内容は 運用を始める際の望ましい運用体制の遷移 3) FX業者 (※)スワップポイントご参照)
4)到達目標(ゴール)
累計実現益時間の経過とともに単調に増加していきます。
含み損益為替レートの変動に伴って増減を繰り返すとともに、ポジションの増加につれて振れ幅が大きくなります。
為替レートの上昇、下降には限度があるので、数年の間には天井と底をつけ、その後はその間を上下するようになります。
ポジションの増加とともに大きくなりますが、これも数年の間に最大となった後、数字は大きくは変化しません。
私的年金含み損および必要証拠金額には上限のようなものがある一方、実現益は時間の経過とともに単調に増加するため、やがて、証拠金余裕額が十分大きな金額、すなわち、実現益相当額を口座から引き出してもグルグルトレインの運用には支障がなくなるようになってきます。
ここに至って、グルグルトレインが「私的年金」となるわけです。