平井FP行政書士事務所

 ファイナンシャル・プランナー(CFP®) / 行政書士
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グルグルトレインの本質

リピート系の肝は運用が継続出来ること

リピート系の運用では、運用が継続できている限り、利益がチャリンチャリンと貯まって行きます
FXは証拠金取引ですから、運用を継続するとは、如何にして必要な証拠金を維持するかということに帰着します。
「証拠金余裕額」を如何にしてゼロ以上に保つかというゲームとも言えます。

証拠金余裕額は次の式で計算されます。(簡略化したもの。正しくはこちら

証拠金余裕額 = 預託金残高 ± 損益評価額 - 必要証拠金

① 預託金残高:口座内にある現金の残高(投入した資金+実現益)
② 損益評価額:取引中のポジションに発生している含み損益(評価損益)
③ 必要証拠金:取引を継続するのに必要な証拠金

グルグルトレインの工夫

リピート系の運用では、為替レートが一定範囲内で上下している時(いわゆるレンジ相場)は、証拠金余裕額を気にする必要はさほどありません。
しかし、為替レートが想定方向とは逆方向に大きく動き、一定の範囲より外に飛び出した時、これを水準訂正と呼びますが、にはポジションに大きな評価損が発生して証拠金余裕額が大きく減少します。

ロングポジションだけを取っている時は、為替レートが下落した時、ショートポジションだけを取っている時は為替レートが上昇した時がこれに当たります。

グルグルトレインは効率化を考えた両建て運用ですので、水準訂正が起きれば 片側(例えばロング側)はどんどん決済される一方でもう片方(ショート側)では評価損が大きくなって行くという事象が必ず発生します。
グルグルトレインの工夫とは、逆方向に動いたときに発生する評価損をカバーするため、サポートポジションと呼ぶ逆ポジションを取って評価損を打ち消そう(ヘッジしよう)とするものです。

このようにすることにより、レンジ相場では為替レートが上昇しても下降しても利益が出ますし、水準訂正のリスクも片側はヘッジできることになります。

為替レートの上下に対し、ロング側とショート側の両方を同時にヘッジすることは不可能ですから、大局的に見て為替レートが上昇すると予測するときにはロング側、下降すると予測するときにはショート側にサポートポジションを建てることになります。
このため、予測とは反対方向の大きな水準訂正があると、被ヘッジポジションと、ヘッジポジションの両方に評価損が発生するので、 評価損はロット(一度に注文する量)の2倍の大きさで増えていくことを認識しておく必要があります。

グルグルトレインでは、時間の経過とともに実現益(右図では「(b)累計実現益」)が一方的に積み重なり、増加していきます。

一方で、含み損((a)評価損益)が生じますが、これは大きくなったり、小さくなったりします。

(c)スワップとは受取り金利から支払金利を差し引いたものです。
投資家が例えば豪ドル円を買うという取引は、FX業者が投資家に代わって銀行から円を借りて豪ドルを買い、その豪ドルを預金する行為と同等です。
スワップとはその際に発生する円に係る支払金利と、豪ドルから発生する受取り金利の差額を言い、これが投資家にチャージされます。
豪ドル円のように、高金利通貨を対円で売買するグルトレをサポートロングで行えば、スワップは実現益同様一方的に積み上がっていきます。

評価損益の正負を逆にしてイメージ図としたものが右の図です。

累計実現益は単純に増加するものの、評価損が大きい場合はグルトレ全体を決済して清算するとトータルとしては損が発生してしまう場合があります
しかしながら、一方的に増加するものと、上下に変動するものがあるということは、十分な時間が経過すると、いつ清算しても利益が残るようになるとも言えます。
ただし、このオペレーションが継続できるという前提での話です。
FXは証拠金取引ですから、証拠金が不足すると、ポジションが強制的に決済されてしまい、実現損が発生します
結果として、実現損が発生すると、証拠金が減少し、更なるポジションの決済が生じ、実現損が発生するという負のスパイラルに陥ります。

私の工夫

私は2018年10月にグルトレを始めて以来、ロットを少しずつ大きくすることで、毎年確定申告ベースで増益を重ねてきました。
しかしながら、2023年一杯で円安局面も終わりそうだと感じ、円高局面に備えた思考実験を繰り返した結果、 予測とは反対方向の大きな水準訂正に備える工夫に思い至り、「逆行対応グルトレ」と名づけ、2023年6月からはこの手法で運用しております。
2023年は出来すぎでしたが、2024年はそれに次ぐ過去2番目の成績で終わることが出来ました。

「逆行対応グルトレ」については、「グルトレ(会員限定)」ページで説明しておりますが、いわゆるグルグルトレイン(「基本的グルトレ」と呼ばせてもらっています)と比べて複雑で、エントリーミスを起こし易いオペレーションとなっております。

グルトレを始めようという方は、基本的グルトレを小さなロットで始め、最低でも1年くらいの経験を積んでから逆行対応グルトレに移行するという方法が賢明なやり方だと思います。